オーストラリアへサラミ1本を持ち込もうとして、罰金31万円!

何度も言われていることだが、オーストラリアの検疫は厳しい。
特に食料にはくれぐれも、くれぐれも要注意だ。

近頃はチェックもさらに厳しく"申告なし"というと、スーツケースからハンドバッグに至るまですべてX線に通され、1つでも、たとえ食べかけでも食料品やおやつが見つかると、問答無用にその場で罰金となる。この国は、罰金さえクレジットカードで支払えるので、英語が分からないふりをしても無駄。
「うっかり忘れていました」という常套句も、原則認められないことになっている。

で、本当に取られてしまったのが上の記事
飛行機代より高くついたサラミである。

私の知り合いに、チョコボールを持っていた事が発覚して55ドル(=4,400円)の罰金を取られた人が居る。まだ、今のように厳しくなかった頃のことだ。

気をつけたいのが子供連れ。
空港や機内で食べかけのおやつをバッグに入れていることをすっかり忘れ、
「申告品はありません」
「本当に食料品は何も持っていませんか?」
「はい、ありません」
「では、バッグをこちらに・・・」
で、食べかけのおやつなどが出てくるっと面倒なことに。
これが、果物や肉・卵を使ったものだともっと面倒なことに。

というわけで、オーストラリアへ来る人には、むしろ分かりやすい食品を1つ2つ手荷物に入れ、とっとと申告ゲートを通ることをお勧めする。
無申告ゲートを通って面倒な目に会うより、よほどすっきり早く出られる。

おかき、のり、うめぼし、羊羹などはきちんと申告し、現物を見せれば何の問題もなく通る。
明太子も、きちんと包装されていれば大丈夫。
私はタラコもO.K.だった。
肉や卵の絵がパッケージ描かれているものは避ける。
カップラーメンを持っていたら具だけ全部抜かれた・・・
レトルトカレーをもっていたら、レトルトパックを破り肉を全部抜き取って返された・・・
などという話もある。
これでは、お金と時間の無駄と言うもの。
さらに、多くの日本人がこういったことを繰り返すと、
「日本人には注意せよ」
ということになり、ますます日本人入国者へのマークが厳しくなるだけだ。

もう一つ大切なことは、本当にうっかりしていて、すっかり忘れていたものが荷物の中から見つかってしまった時の態度。
この頃は、あまりに皆が「うっかり忘れていた」というので、"うっかり"や言葉が通じない場合でも容赦なく罰金が科されるケースもある。
ブツが出てきてしまったときに、妙に開き直ったり、言い訳したり、言葉がわからないふりをして逃げ切ろうなどと思わないこと。
印象が悪くなるだけで、ますますもって課税対象とされる。
素直に、正直に、誠意を持って対応することが大事だ。
相手は、そういう人ばかり毎日何万人とみているのが仕事だ。
あさはかな下心など透けて見える。
むしろ、起こってしまった出来事に、誠意を持って対応すれば、どこかのお役所よりは、はるかに対応力があるのがオージーだ。

何を思ったか、出掛けにもらったりんごを"おし!これはオーストラリアで食べよう!"とポンとバッグに放り込んで飛行機に乗った青年がいた。
オーストラリアの通関でバッグ丸ごとX線にかけられ、かばんの中から、本人さえ忘れかけていたりんごが・・・
うっかりしていたことを慌てることなくきちんと話し、りんごは没収されたものの「気をつけてね」の一言で終わった。
かばんをX線にかける前後、通関職員は、彼に頻繁に軽い世間話を持ちかけ、彼も軽いジョークで交わしていた。
英語力を試していたのだ。

ちなみに、荷物チェックをするかどうかは、入国審査の段階である程度判断されている・・・と私は見ている。

ある日、入国窓口で、どこから見ても日本人とおぼしき若い女性が、"others"の長い行列をよそに、堂々と"Australian"の窓口についた。
職員の「あなたはオーストラリア人ですか?」という質問にきょとん!
「あちらの列へ」といわれても知らん顔。
何を言われてもだんまり。
あきれて通されさっさと行ってしまった。
本人はうまくいったつもりかもしれないが、見ていて恥ずかしいなぁと思う。

まだまだ、世界で日本人はマナーが良い国民の部類に入っていると思う。
そのおかげで、海外で暮らしたり、旅行する際に助かることも多々ある。
(エリアによってはそうでもない・・・!?)
先人が積み重ねてきてくれたこの印象を、これからも大事に守っていけるといいなと思う。